2022年度 奧・井ノ上記念日本青少年国連訪問団

IV. 活動の記録

◆ 国連広報センター訪問

2023.3.27

私は東京の国連広報センターで、広報センター長を務められている根本さんという方に話を伺いました。
 特に印象に残っていたのは、「1.5℃の約束 気候キャンペーン」の概要と目的、そしてそれに国連がどのような役割を果たしているかについてのお話でした。
 気温上昇が多くの国々に深刻な被害をもたらしつつあること、それに対して日本が出来る事、そしてそれらの利害関係を調整する上で国連が果たしている役割について学ぶことが出来ました。
 そしてそのような国連の活動は、前述の気候問題などの特定の分野だけではなく、紛争解決や途上国支援などにおいても同様の手法が応用されていることを知りました。
 互いの問題点を解決する上で必要な客観性と正当性、これらを学ぶために様々な国の視点から物事を考えていく必要があることを、私たちは根本さんに教えていただきました。そしてこれらを体験し実感するために、翌日からのニューヨーク訪問をより充実したものにしたいという決意を新たにしました。

(福岡大学付属大濠中学校 牟田口 舞)

◆ 外務省訪問

2023.3.27

外務省を訪問して、憧れの外交官とお話をして、さらに自分を奮い立たせるような経験となりました。外務省に入ってまず驚いたのは「働く女性のための休息室」があったことです。外務省は日本の省庁の中でも特に女性の割合が高く、女性が働きやすい環境が整えられていました。すれ違う方も女性が多かったという印象です。お会いした今福大使は「価値観は一つではない。自分の意見を他人はどう見るか、客観的に捉えていく必要がある。他人の意見を取り入れることが大切だ」とおっしゃいました。これからの私の活動に生かしてくべき教訓のように思いました。外務省では主に拒否権や国連、サミットについて深く学びました。翌日からのNYでの研修に役立つ知識を事前に学べました。日本の外交の姿勢を考え実行していくまさに日本の最前線にいる外交官は広い視野と客観的視野が必要なのだと強く感じました。これからも日本の外交のあり方について考えていきたいと思います。

(鶴丸高等学校 坂元 愛実)

◆ イラク政府代表部訪問

2023.3.29

イラク政府代表部を訪問させていただき、日本で得ていたイラクの情報が断片的だったことに気付かされた。
 テロが蔓延っている、というイメージが強かったが、それによって国民が置かれている苦境は想像を超えていた。女性と子どもは特に悲惨な状況で、強姦によって生まれた子どもは、宗教的理由から身分証明書を得られないそうだ。ISISは油田やダムを破壊しており、国の収入源は絶たれ、国民は洪水などの災害に遭う可能性が高く、深刻な水不足に陥っている。
 このような窮境を伝えると同時に、大使はイランの文化的価値についても強調してくれた。イランはメソポタミア文明の発祥地で、ギターや初期の電池はこの地で発明された。歴史的遺産に囲まれた、本当に豊かな国だという。しかし、その遺産もテロの被害を受けており、国連をはじめとする国際社会は保護の方法を模索している。
 日本はイランが経済制裁を受ける前から輸出をしており、両国の外交的関係は深いとおっしゃっていた。断片的なイメージではなく、イランの実情を知ろうとする努力を続けなければならないと感じた。

(早稲田大学本庄高等学校 佐々木 結)

◆ 国連邦人職員との昼食懇談会

2023.3.29
 

昼食懇談会は、国連で実際に働く方のお話をざっくばらんにお聞きできる夢のような時間だ。
 私は環境問題を解決したいという、ぼんやりとした夢は持っていたが、実際にこの機関で働く、という目標を持っていなかった。それでも、枠組みを作って目標を達成していきたいという自分のイメージを踏まえ、UNDPやUNEP、世界銀行など、様々な機関を紹介してくださった。これから、具体的に貢献する方法を模索していかなければならないと強く感じた。
 また、昼食会でお話ししたのは、医療、安全保障、栄養など、専門家の方々だった。彼らは詳しい知識や経験だけでなく、フィールドに出て働くことへの熱意ももっていた。意見がぶつかり、大変なことも多いというが、自分の仕事に誇りを持ち、生き生きと語り合う姿はとても輝いて見えた。

(愛媛県立松山東高等学校 兼頭 玄)

◆ 日本政府代表部表敬訪問

2023.3.29

視察四日目、日本政府代表部の石兼大使からお話を伺う機会がありました。大変興味深い内容でありましたが、特に僕の中で印象深かったのは、「SDGsは全てがつながっている。」と教えて頂いたことでした。例えば、五番のジェンダーについての問題を解決する際、十番の人や国の不平等も解決しなければなりません。一見すると、それぞれが独立している様に見えていた十七の問題は、リンクしているということに気付かされたことは、僕の中の知見をより深めることになりました。
 日本においては、すでに達成されている項目がある一方、世界の単位で見れば、国や地域で各項目の達成状況には大きな差が浮き彫りとなっています。生じた差を埋め、誰一人取り残すことのない社会の仕組みを築くためには、近くにある問題だけでなく、広い視野で物事を見ていく必要があると考えさせられました。
 石兼大使との謁見の中で、SDGsの十七の目標は、ゴールの方向に向かっていることを感じることが出来ました。僕達が普段の生活の中で出来ることは限られますが、世界に視野を広げれば問題は山積しています。まずは身近にある問題を解決していくことが、ゆくゆくは世界的な問題の解決につながると信じ、ゴールに向かい少しずつ歩みを進めていきたいと思いました。

(須賀川市立西袋中学校 大石 悠叶)